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畑から食卓へ〜フ−ドマイレージで考える環境問題〜

フードマイレージという言葉をきいたことがありますか?その言葉が表すとおり、食料(food)の輸送距離(mileage)という意味で、1994年にイギリスの消費者運動家ティム・ラング氏が提唱したもの。日本には昔から「地産地消(その土地でとれたものをその土地で消費することが良い)」という考えがありますが、このフードマイレージも、食の安全性や環境とのつながりを考える上で、非常に共通するものがあります。 「フードマイレージ」って何ですか?

「Farm to Fork 畑から食卓へ」

フードマイレージは重量×距離であらわされます。畑から食卓までの距離が近いほどフードマイレージは小さくなり、遠いと大きくなりますが、遠いということはそれだけ輸送にエネルギーを使っているということ。世界中から食品を載せてやってくる飛行機や船舶、そしてまた国内に到着してから夜通し走る長距離トラック。わたしたちの日々の食卓をうるおすため、その輸送には石油などのエネルギーが膨大に消費されているのです。このように、食のあり方を輸送が環境に与える負荷の視点からとらえるというのがフードマイレージ。食とエコロジーの関係を考えるとき、有機か慣行農法かという問題だけでなく、フードマイレージという視点も大切なのです。

「地産地消でマイナス6%!」

農林水産省の調査によれば、国民1人当たりのフードマイレージの大きさは、日本が1位。これはイギリスの2倍、フランス・ドイツの3倍、アメリカの10倍に当たります。先進国の中でもわたしたち日本人の食がいかに輸入品頼りかがわかります。カナダ産の小麦粉で作られたパンに、ブラジルのコーヒー、アメリカのオレンジ。そんな朝食をとっている人は多いでしょう。世界中の美味しい食材が手に入るのは幸せなことです。しかしその食卓は本当に豊かなのでしょうか。便利さと安さを追い求めた結果、日本でもとれる野菜をわざわざ地球の裏側から運んでくる。たしかにその野菜は国産のものに比べると、わずかばかり安いかもしれません。しかしその輸送には大量のCO2が排出され(輸入食材は国産食材の約5倍のCO2排出量とのデータも)、食品には長時間の保存に耐えるように薬剤が使用されるという現実があります。健康や環境に対するリスクと引き換えに、わたしたちは「安い」食品を手にいれているのです。日本政府は地球温暖化を防ぐために、京都議定書でCO2を6%減らすことを約束しています。CO2削減というと、エアコンの温度を下げるとか車に乗らないといったことが頭に浮かびますが、フードマイレージの小さい国産のものを食べるという「地産地消」も、それに負けず劣らず立派なエコロジー活動なのです。
そもそも、日本のフードマイルがこんなに大きくなってしまったのも、食料自給率が40%まで下がってしまったから。政府の政策や外交上の力関係もその背景にはありますが、なによりもわたしたち消費者が「いつでも、どこでも、安く」食を手に入れようとした結果なのではないでしょうか。食べて安心、しかも地球に負荷をかけない食を取り戻す。それは決して難しいことではなく、わたしたち消費者の毎日のちいさな選択にかかっています。朝、昼、晩、毎日のごはんがエコロジーにつながっている。そう考えると、遠かった環境問題が、ぐっと身近なものに感じてきませんか?

「フードマイレージを減らす、ちいさな一歩」

●国産のもの、できれば自分の住む地域に近いものを選ぶ。
●オーガニックや特別栽培のものを選ぶ。農薬だって海外から運ばれてきます。
●旬のものを楽しむ。ビニール栽培には石油などのエネルギーが使われることもあります。
●チョコレートやコーヒーなど日本では作れないものを選ぶ時は、なるべくオーガニック×フェアトレードを。遠い国での搾取を減らすことにもつながります。
●自分で野菜を育ててみる。フードマイル0も可能です!

<参考>
農林水産省HP→ http://www.maff.go.jp/soshiki/syokuhin/heya/qa/alt/altqa030414.htm
中田哲也「試論フードマイレージの試算について」農林水産研究所→ http://www.primaff.affrc.go.jp/seika/kankou/primaffreview/2/primaffreview2001-2-7.pdf
フードマイレージキャンペーン→ http://www.food-mileage.com/

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