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アースガーデン代表 南兵衛さんインタビュー

アースガーデン代表 南兵衛さんインタビュー

代々木公園で年3回行われる「アースガーデン」は、エコロジーやオーガニックといったオルタナティブな価値観を求める人々にとっては、すっかりお馴染みとなったイベント。いや、イベントというより、もはやひとつのコミュニティができていると言ったほうがしっくりくるかもしれない。

有機野菜や天然酵母パンを扱う自然食品店をはじめ、発展途上国の自立を支援するフェアトレードや環境問題に取り組むNGO、個人ベースで創作活動をするクラフト作家まで、個性あふれるにぎやかな面々が、世の中をもっと素敵にしたいというひとつの願いのもと集結している。その出展(店)数は300以上。しかも開催する度に希望者数は増え続けるという。

日本でもっとも定着したエコロジーイベントと言われる「アースガーデン」。今回はその立役者である南兵衛さんにお話を伺った。

生き方のテーマが、そのまま仕事になった

「アースデイやアースガーデンは、ここ数年ものすごい勢いで一般の人々に浸透してきているのを感じます。エコロジーをテーマにした万博までやれちゃう世の中になったんだからね。最近はLOHASなんて言葉まで出てくるし。代々木公園でのアースガーデンの成功も、そういった時代の流れとは無関係ではないと思います。でも、自分はずっとやりたいことをやってきただけなんですよ。オーガニックとエコロジーというのはずっと僕の生き方のテーマで、世の中で今、これが流行っているからそれをやる、という発想はないんです。LOHASだってそう。そういった言葉がうまれ、広まったけど、それはただその言葉が普及しただけのこと。誤解を恐れずに言えば、その常識がすでに自然のあり方とズレている世の中に、情報として広まっただけです。オーガニックの現実を、根本的に理解している人は一体どれだけいるのでしょう。」

開口一番、南兵衛さんはこう切り出した。どうやら、最近巷にあふれている表面的な「オーガニック」とは、少し距離をおきたいようだ。

自分で自分を幸せにすることはできる

南兵衛さんは大阪の郊外育ち。自宅はマンションだったが、ベランダからつり竿をたらせば何かが釣れちゃいそうなほど、自然は身近な存在だった。実家が本屋だったことも関係してか中学生の時には「複合汚染」を読んで影響を受ける。「嫌な子どもでしょ(笑)。」

その後20歳前後の4年間で、日本中や南米などを旅してまわった。

「百姓暮らしも経験して、自分にとって本当に幸せな生き方について検証はできたんです。農業で生きる充実感も感じていた。幸い今みたいに、オーガニックや農的暮らしがすごく盛り上がっていた時期でもなかったから、勢いだけで自己満足に浸ることもなくて。だからこそ、外的な条件だけ与えられても、人は幸せになれないって、気づいたんです。」

南米のヒッピーのコミューンや、昔ながらの村落共同体を訪れた。自然は美しく、豊かな食に恵まれ、自分から見ると天国のようなところ。でもそこでも人間関係の難しさや、理想と現実の狭間から農を離れて出ていく人などをたくさん見たという。これだけ幸せな条件がそろっているのに、幸せに成りきれないのはなぜだろう。

「自分の結論として、『人間一般は絶対的には幸せになれない』のだと思っています。だから、幸せになれるよう努力しなくちゃいけない。自分で自分を幸せにするんです。」

この星の上に、約束された楽園はない。だから少しでも自分が居心地のいい場所をつくっていこう。その想いが南兵衛さんの根底にある。

あったほうがいいのにない。だからつくってみた。

「自分は突飛な発想をするほうじゃなくて、過去の事例とか自分の体験から考えるほうです。アースガーデンもそう。海外のファーマーズマーケット(農家が直売する市)や野外フェスなんかを見て、これは日本にもあったほうがいいな、と。欠けているところをはめていくんですよ。ないなら自分で作る。そんなやり方です。そのせいか、やんなるくらい忙しくもなってますけど。」

そういって苦笑する。事実このインタビューの間にも、南兵衛さんの所にはひっきりなしに電話がかかってきて、携帯で話をしながらその合間を縫って食事をするという超多忙ぶり。スローを提唱するには、誰よりも走らなければならない時がある。疲れないのだろうか。「そりゃ疲れますよ。そんなの当たり前。だから限界まで疲れたらバタンと寝ちゃう(笑)。」南兵衛さんの考え方は明快だ。

自分の好きなことをやってきた、と南兵衛さんは言うが、世の中に求められていることをやる(たとえそれがまだマイナーな価値観であったとしても)、ということは常に忘れずにいたという。流行にのるとかそういうことではないけれど、社会性のバランスの中でやっていかないと続かない。特にそれがエコロジーやオーガニックというテーマであったらなおさらだ。そんな情熱と冷静の両方を兼ね備えていたからこそ、アースガーデンはここまで続き、広まってきたにちがいない。

「この星に楽園はないと言ったけど、社会の発展とその恩恵によって、部族間の争いや病気や飢餓による死亡率が減ったということだけ考えてみても、すでに僕たちは楽園に住んでいるのかもしれない。今、当たり前に享受して暮らしているこの社会がね。でも、この暮らしは全然オーガニックじゃない。野菜だってなんだって、化石燃料を使ってはるばる運ばれて来ているわけですよ。自然の循環の中で、食べものが種から口にはいる瞬間まで考えて、その微々たるものに価値を見出してやる。オーガニックということを根本的に実践している人は、やっぱりお百姓さんです。第一次産業に携わる人。いのちの源である食べ物を生み出している人。今は東京でこんなことをしているけれど、この仕事は深いところでお百姓さん、そして自然そのものにつながっているんです。」

イベントプロデューサーとお百姓さん。違って見えても、それは南兵衛さんの中でひとつに連なっている。どこにいるかより、何をするか。わたしたちも、都会の真ん中で、こころのお百姓さんになれる術はきっとある。


■Profile
本名、南兵衛こと鈴木幸一。
イベントプロデューサー。

「オーガニック&エコロジー」をテーマに、代々木公園で年3回開催のコミュニティフェス「アースガーデン」を主催。2004年2005年には市民による日本最大のエコロジーイベント「アースデイ東京」の実行委員長を務める。またフジロックや朝霧JAMなど多くの野外フェスティバル、音楽イベントの現場制作に参加。根っからの野外フェス好き。著書に「フェスティバルライフ」(中央公論新社)。

アースガーデンHP→ http://www.earth-garden.jp

オススメ! 自然派立ち呑みBAR「キミドリ」

自然派立ち呑みBAR「キミドリ」自然派立ち呑みBAR「キミドリ」

ここも南兵衛さんの「あったらいいな」から生まれた場所。
オーガニックコーヒーや体にやさしいメニューがあります。スタッフもとてもフレンドリーで、女性がひとりでふらりと立ち寄れる雰囲気。今回インタビューに使わせて頂きました。渋谷駅新南口すぐ。

キミドリHP→ http://www.kimidori.info/

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