田んぼ便り【初夏編】

田んぼ便り【初夏編】 〜山形・みずほ生産者グループの取り組み〜
第二回「草取りしながら思うこと」

記事のレポート
みずほ生産者グループ 荒生秀紀
みずほ生産者グループ 荒生秀紀さん
高校生の頃に食べた佐藤さんのお米の味が忘れられず、一度は会社勤めをするものの7年前に脱サラ、米づくりの道へ。
今年の苗は、田植え後順調に根を張り、田んぼの環境に慣れるのも例年より早かったようです。
草取りは苗のすぐそばを歩くので、根がしっかり張っていないと苗を倒してしまいます。そのため、草取りは根の張りぐあいを見てからスタート。「何日から始めよう」と人間のスケジュール通りには行かないのが農業です。ましてや有機栽培となると、化成肥料でぐんぐん育てたり、農薬で雑草を押さえたりしません。太陽と微生物、そして人の手だけが頼りです。
手間はかかるけど、農薬を使わない田んぼには、生き物たちのドラマが満ちています。ヤゴがトンボに羽化する姿、元気に飛び回るカエルたち。
そんな光景を見ていると、草取りの苦労はどこへ飛んでいってしまいます。

草取りしながら思うこと

今年の苗は、田植え後順調に根を張り、田んぼの環境に慣れるのも例年より早かったようです。
草取りは苗のすぐそばを歩くので、根がしっかり張っていないと苗を倒してしまいます。そのため、草取りは根の張りぐあいを見てからスタート。「何日から始めよう」と人間のスケジュール通りには行かないのが農業です。ましてや有機栽培となると、化成肥料でぐんぐん育てたり、農薬で雑草を押さえたりしません。太陽と微生物、そして人の手だけが頼りです。
田んぼ便り【初夏編】イメージ01
田んぼ便り【初夏編】イメージ02
草取りは、手押し式の機械と手作業のWで行います。上の写真は「あめんぼう」という機種で、カタカタと押していくと自動的に草が取れる優れもの。しかし機械はタテ方向のみしか入れないので、稲と稲の間の細かいところは手作業になります。機械は便利ですが、最後はやっぱり人の手が一番!草が生える前にも、一回除草機を押すと苗に活力が出ます。除草機には草取り以外にも苗を鍛えるという効果があるようです。その原因は色々言われていますが、まだよくわかっていません。土に刺激を与えることによって微生物の動きが活発になるのかな、などと想像しています。

草は生えて当たり前!

田んぼ便り【初夏編】イメージ03
世の中で一般的に行われているお米の栽培には、農薬や除草剤が使用されています。田植え後の除草剤散布は今や当たり前の風景。昨今の除草剤は優秀(?)で、ほとんどの草が生えてきません。私の実家ももともと米農家でしたが、子どもの時から除草剤があったため、「草の生えない田んぼ」に何の疑問も持っていませんでした。ですから、有機栽培に取り組んで一番驚いたのが草の量です。取っても取っても草は生えてきます。この元気な草を春先一回の除草剤散布でやっつけてしまう除草剤の怖さもここで知りました。除草剤は田んぼに対流し、川に流れ海に流れます。環境へ与える負荷は計り知れません。

田んぼには、生き物たちのドラマが満ちています

苗、草が元気になる時は、田んぼにいる生き物も元気になります。ミジンコにミミズ、オタマジャクシは立派なカエルになり、田んぼの中を跳ね回っています。先日はトンボの羽化の時期でした。ヤゴがトンボに変わる姿は農業をやるようになって初めて見ました。ヤゴが苗につかまりセミのように羽化し、後にはヤゴの殻が残ります。初めてその姿を見たときは、農作業の手を止めジッと見入ってしまいました。草取りの大変なこの時期ですが、田んぼでは生き物たちが様々なドラマを繰り広げていて、見飽きることがありません。 田んぼ便り【初夏編】イメージ04

有機農業キーワード(2) 『除草剤』

除草剤は、不要な植物(いわゆる雑草)を枯らすために用いられる農薬のこと。全ての植物を枯らすタイプと、対象とする植物を選んで枯らすタイプなど、その種類は多岐に渡ります。海外では除草剤耐性イネなども遺伝子組み換え技術によって誕生しています。有機栽培では、本来作物も草も同じ植物であるのに、草が枯れるほどの薬剤が作物とそれを食べる人に影響を与えない訳はなく、また作物の根の周りで働く土中の微生物も殺してしまうという懸念から、基本的に除草剤は使用しません。結果、草取りは簡単な機械と手作業に頼ることが多く、有機栽培農家の人々は慣行栽培に比べ多くの手間をかけています。
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