田んぼ便り【盛夏編】

田んぼ便り【盛夏編】 〜山形・みずほ生産者グループの取り組み〜
第三回「生きもの調査」

記事のレポート
みずほ生産者グループ 荒生秀紀
みずほ生産者グループ 荒生秀紀さん
高校生の頃に食べた佐藤さんのお米の味が忘れられず、一度は会社勤めをするものの7年前に脱サラ、米づくりの道へ。
7月末。草取りも一段落した頃、毎年恒例の田んぼの「生きもの調査」を行いました。有機農法の田んぼには、稲だけでなくさまざまないのちが息づいています。ゲンゴロウやアメンボウと言った目に付きやすいものから、土中のイトミミズや貝といった微細なものまで、そのすべてがひとつの循環の中で健全な営みを行い、その副産物としておいしくて健康なお米が育まれるのです。今年の生きもの調査には、わたしたち「みずほ生産者グループ」の仲間たちの他に、ナチュラルハウスのスタッフも30名ほど参加し、いつもは静かな田んぼが大賑わいになりました。

田んぼはビオトープ

田んぼ便り【盛夏編】
私達は、田んぼを単なる食料生産の場としてだけでなく、さまざまな生き物が集まり生態系をつくる場所(ビオトープ)と考えています。今までは、田んぼの一角に設けられた沼地の部分だけをビオトープとして捉えていましたが、現在では田んぼ全体をビオトープに出来ればと思っています。「生きもの調査」は、そこに住まう生きものを調査することによって、人と自然との関わりを見つめ直すきっかけになります。湿地帯の田んぼには「トロトロ土」を作るイトミミズを始め、ゲンゴロウやアメンボウなど都会では見られなくなった多くの生物が住んでいるんですよ。
田んぼ便り【盛夏編】
はだしになって田んぼの中へ入り、生きものが住む泥を採取します。化成肥料や除草剤等の化学合成農薬を使わない田んぼは、表情が違います。普段田んぼで仕事をしていても、さまざまな生き物が目に留まります。そこで、どんな生きものが田んぼにいるのか、私達生産者が実際に調べてみようと思ったのがそもそもの始まりでした。当初は自分たちが「知ること」からスタートしましたが、今ではそれを一般の方に「伝えること」に変わってきました。知ることで、田んぼをめぐる現実と向き合い、今自分たちができることを考えるきっかけになります。

人の輪もつながっていきます

田んぼ便り【盛夏編】
↑すくった土をふるいで洗い落とし、残留物を観察。目をこらすと小さなミミズや貝がいるのがわかる。
以前は、地元の農家同士が集まると稲の生育状況の話が大半でした。しかし生きもの調査を始めてからは、「先日、うちの田んぼにはこんな生きものがいたよ!」とか「もうすぐトンボが羽化するね」など話題の幅も広がりました。今回ナチュラルハウスのスタッフが参加してくれたように、普段農業に携わっていない人も、「生きもの調査」を通じて田んぼや自然に興味を持ち遊びにきてくれます。最近では地元の子どもたちの自然教育の場としても利用されているんですよ。小さなときから身近な生きものに興味を持ち、その命がどんな環境で育まれるのが気づいてもらえたらいいと思っています。
田んぼ便り【盛夏編】 今では、田んぼに行って稲の成長を見るのはもちろんですが、元気に生活するまわりの生きもの達を見ると、ものすごく嬉しくなります。自分の田んぼを憩いの場として集まってくれている生きもの達を愛おしく感じます。
皆が安心して生活できる空間は、人間だけでなく他の生きもの達もホッとできる空間だと思います。
←生きもの調査の後は、みんなで草取り。有機栽培の田んぼは雑草も元気です!
田んぼを作りながら自然と共生する
今ある自然は我々だけのものではありません。今ある自然を次世代に繋ぐことが重要です。今自分が出来ることから始める為にも、この生きもの調査を通し農家から発信していきたいと思っています。
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