増量剤・結着剤(リン酸塩)
引用:大地を守る会ホームページ
一般のハム・ソーセージ作りでは、少ない原料肉を加水して増やす「増量」が広範に行われています。大量生産が可能になり、
原価や販売価格を下げやすくなります。
「結着剤」は肉同士を結着させ、水分まで固める食品添加物。ハム・ソーセージでは主にリン酸塩(Na)が使われます。
このほか、結着剤の代わりや補強役として、大豆たんぱくや乳たんぱく、卵たんぱく、でんぷんなどもよく利用されます。
これらはいわば「つなぎ」で、俗に増量材(剤)や結着補助剤とも呼ばれています。
原料肉よりも製品の方が重くなる?
増量の度合いにもよりますが、一説にはベーコンは140%、ハムは160%ほど原料肉よりも製品が「重くなる」といわれています。
ハムの製造工程を例にとると、原料肉はまず水に塩や香辛料などを溶かしたもの(塩漬液)に漬け込む塩漬工程の際、
塩漬液を吸収して重量が増します。一般品は、ここに結着剤やつなぎを入れて加熱。すると水分を多く含んだまま固まって
歩留まりがよくなる、つまり「増量」されるというわけです。
また、塩漬液をたっぷり吸うと原料肉の風味が薄まるため、一般では「調味料(アミノ酸)」などの食品添加物や化学的に
抽出・精製されたうまみ成分を加えて補うことが珍しくありません。
また、肉の色も「発色剤」(主に亜硝酸ナトリウム)や「着色料」で補い、鮮やかなピンク色に調えています。
このように作られたハム・ソーセージは大豆や乳、卵などのアレルゲンを含むため、アレルギーを持つ方の多くは食べられません。
また、増量とともに使われる食品添加物には、カルシウムの吸収を阻害する働きがあるとされる「リン酸塩(Na)」や、
魚肉や食肉などに含まれるアミンと胃の中で反応し、発がん性のあるニトロソアミンを生成する「亜硝酸ナトリウム」など、
人体への影響が懸念されているものも少なくないのが実情です。
余計なものが入っていないので、原材料の数がこれだけ違います
本物のハム・ソーセージの原料は、原料肉と味付けのための最低限の調味料だけ。皆、肉本来の味楽しめる製品作りに打ち込み、
原料肉のおいしさを高めるための努力を重ねています。その製品は、塩漬後、乾燥やスモーク、ボイルなど加熱の工程で
余分な水分が落ち、味わいが凝縮され、製品になったときには原料肉よりも軽いハム・ソーセージ。でも、
これこそが昔ながらのあり方なのです。