シリコン とは
【シリコン】
引用:Happy Quinoa vegan media
シリコンは、調理器具などによく使われている身近で安全な樹脂素材です。柔軟性・通気性に優れ、熱や光に強いなどの様々な特長があります。日用品や食品、工業や医療の分野などで幅広く活用されています。
美容分野に用いられるシリコンは、汗や水を弾きメイクの持ちを良くし、感触を滑らかにさせる働きがあり、スキンケア用品に必要な性能を持っていると言えます。さらに長時間発色の良さ・肌質の維持するために用いられています。シャンプーやコンディショナーなどのヘアケア製品にも配合されているシリコンは、洗髪やすすぎの際に毛髪同士の摩擦を軽減するためや、髪をコーティングする働きがあります。艶やかでしっとりした質感に仕上がるような効果を出すためにも用いられています。本来健康な髪は、キューティクルが整っています。キューティクルが健康のまま維持できるように、或いは傷んだ髪をこれ以上傷ませないよう、シリコンでコーティングする目的で配合されています。
髪の毛は3層構造から成り立っています。毛髪の芯の部分(メデュラ)・中間部のコルテックス・髪の表面のキューティクルです。キューティクルが傷むと、ツヤ感や手触りが悪くなり、パサパサの状態や枝毛、切れ毛が起こります。キューティクルがダメージを受ける原因はさまざまありますが、その多くは摩擦・熱・化学物質の3大ダメージによるものです。キューティクルは、一度でもダメージを受けると自己修復・再生機能がないため、切るしかありません。さらに毛髪の一番表面のキューティクルが傷つくと、コルテックスやメデュラにもダメージが及ぶのでキューティクルケアが大切になります。
ここまでの内容だと、シリコンってむしろ髪によいのでは?と受け取られるかと思います。しかし、シリコンは樹脂ですから、厳密性を欠きますが、細かいプラスチックで髪を洗っているのと同じような感じになるのです。そういわれると、なんだか髪や頭皮に悪そうなイメージが沸いてきませんか?
そこで、シリコンが入っていない、つまり、シリコンフリーのメリットをご紹介します。
シャンプーのシリコンフリーに注目して紹介しておりますが、基本的には肌への影響に関することですから、スキンケア製品にも当てはまります。
シリコンフリーのメリット
- 頭皮がニュートラルになる
シリコンフリーのシャンプーは、頭皮にやさしく水分補給を行えるフラットな状態を作れます。
シリコン入りのシャンプーは、コーティング力と強力な撥水性のある状態にします。ネット状(網目状)のようなコーティングは重なることで強く落としづらくなります。
つまり、シリコンで覆われていない頭皮が、最もナチュラルで負担をかけず、保湿しやすい状態になると言われています。
- 頭皮を健やかに保つことができる
シリコン配合のシャンプーは使った時に、しっかりすすぎができていないと、頭皮にシリコンの成分が残り、フケや痒みなどが出やすくなる場合があります。
それらが蓄積されると頭皮トラブルを起こすリスクが生じます。ノンシリコンシャンプーであれば、頭皮にシリコンの成分が残ることもないので安心です。
髪の毛や頭皮をできるかぎり健やかに保てる状態を作ります。
*シリコン配合シャンプーはよく毛穴が詰まると言われますが、実は正しく使えば、毛穴に詰まるということはありません。
使い方の中で、古いシリコンをよく洗わず蓄積されることで毛穴が詰まる要素の一つにはなりますが、実際に毛穴を塞ぐ最大の要因は、皮脂や汚れです。
- 頭皮の汚れをしっかりと落とせる
ノンシリコンシャンプーは身体への刺激が少なく、頭皮の汚れをしっかり落とすことが出来ます。元々の頭皮の状態を維持して、汚れや皮脂を浮き出します。
泡立ちが今ひとつというときには、あらかじめブラッシングしお湯で予洗いしましょう。シャンプー液は手で泡立ててから髪の毛先に塗布し空気を含ませます。
泡が出ている状態で指の腹で、マッサージするように頭皮を洗っていきましょう。髪同士をこすりあわせ摩擦をさけるのもポイントです。
- 髪に軽さが生まれる
シリコン配合シャンプーは、コーティング作用のあるシリコンの重みで、髪に負担がかかり、見た目もペタンとしてしまうことがあります。
それに比べてノンシリコンシャンプーの方が、軽くサラサラな感触に洗い上がります。特に髪が細い人や、スタイリングでボリュームが出ない悩みには、ノンシリコンシャンプーの使用をおすすめします。
ノンシリコンシャンプーはふんわりと軽やかなスタイルを楽しめるメリットがあります。
- 髪を無駄にコーティングしない
髪をコーティングしないと、根本から立ち上がりボリュームが出しやすくなり、サラサラした仕上がりになります。そうした仕上がりは、ヘアアイロンやコテを使わずに、ナチュラルなスタイリングを楽しみたい時に最適です。毛根もベタつきがなくクリアな感触になります。
- カラーリングやパーマがしっかりとかかる
シリコンフリーのシャンプーで洗髪していると、髪にコーティングがされていない自然の状態なので、カラーリングやパーマがしっかりかかります。それはパーマやカラーリングが長持ちすることに繋がります。
シリコンで髪がコーティングされていると、薬剤が入りにくい点やカールやカラーが落ちやすい場合もあります。カラーやパーマの薬剤は、何もついていない「素髪」のほうが浸透しやすく、ヘアサロンでは施術の前にシャンプーをするのは、コーティングを落とすためでもあります。
- 美容成分が浸透しやすくなる
シリコンは皮膜性で、美容成分の浸透を妨げる要素があります。ノンシリコン化粧水や美容液は、肌の内部までの浸透力を高めます。スキンケアでもノンシリコンが最も肌に優しくナチュラルな状態を維持します。シリコンの特徴として揮発性も揚げられ、シリコンを使う事で肌の水分が蒸発し、乾燥肌になりやすい場合もあります。
シリコンフリーの気をつけるべきポイント
- ドライヤーやヘアアイロンの熱に弱い
ノンシリコンシャンプーには、髪をコーティングする作用がないので、ドライヤーやヘアアイロンの熱で髪がダメージを受けやすくなります。
これらのデメリットをカバーするためには、シャンプーをする時には髪を優しく洗う、トリートメントでしっかりと髪が傷まないようにすることが大切です。
髪を乾かす前には、アウトバストリートメント(洗い流さないトリートメント)を使うなどの工夫をすると良いでしょう。
- 髪がきしむ、手触りが悪くなる
ノンシリコンシャンプーを使い始めると、髪がスッピンの状態になるので、指通りが悪く感じたり、髪がきしんでパサつき感を感じることが多いようです。
シリコン入りシャンプーに慣れている感触とは変化していますが、ダメージを受けたわけではありません。
ノンシリコンケア用品でしっかり保湿することが大切です。
- カラーリングやパーマで傷む
メリットとしてパーマがかかりやすいと述べましたが、反対に、ヘアカラーやブリーチ、パーマを何度も繰り返すと髪が傷みやすく、コーティングされていないことで、シャンプーをしている時に髪同士の摩擦でキューティクルが剥がれてしまいます。
髪のダメージを進行させないように、パーマの回数やブリーチ、ヘアカラーなど注意が必要です。シャンプー時も洗い方に気をつけることが大事になります。
ノンシリコンシャンプーが合う髪質
髪が細くて、猫っ毛、エイジング毛でボリュームがでないという方にノンシリコンシャンプーはぴったりです。自然なボリュームが欲しい方や頭皮トラブルで悩んでいる方にもおすすめです。
反対に毛量が多くて広がりやすい、髪が硬くて太いという方や髪がきしみやすい毛質は、ノンシリコンシャンプーが合わないことがあります。
さらに、毎日高温のヘアアイロンを長時間使っていると、熱ダメージにより髪が傷みやすくなります。日のブローやアイロン使用が必須な髪質には、不向きになります。
シリコンフリーのシャンプー・スキンケアの見極め方
シリコン配合のシャンプーやカラー剤、スキンケアはメチコン・シロキ・シリル・シランがつく名前の成分ついています。例えばジメチコン・トリシロキサン・ステアロキシトリメチルシラン・ポリシリコーン-13などです。また、PPT(タンパク質のこと。髪の毛と同じ成分)と、シリコンを合わせた特殊なシリコンがあり、ダメージ部分の吸着性が優れ、髪にツヤやしっとり感、滑らかさを与える成分です。
シリコンが入っていない製品には「シリコンフリー」と記載されていますが、成分表などを確かめてみる目安になるのでこの機会に、一度表示を見てはいかがでしょうか。
まとめ
シリコンが含まれている製品は、使い方次第で肌に蓄積するという性質があります。
スキンケアは、肌をいたわるために行っているはずなのに、シリコンを蓄積させてしまっているなんてショックですよね。
これからシャンプーやスキンケア製品を選ぶ際の、参考になりましたら幸いです。自分の肌質や髪質をよく考慮して、いつでもナチュラルで健康な美しさを維持していきましょう。