【協働生産者紹介】島根県 本田商店 本田繁さん
本田商店は地域の物産である「そば」の製粉を商いとする「粉屋」「蕎麦屋」として大正 2 年に
島根県雲南市木次町にて創業しました。
奥出雲地方ではヤマタノオロチの伝説で知られる水量豊富な斐伊川が流れ、各地に神話・伝説が残ります。
その昔、山間地ではタタラ製鉄、炭焼が盛んに行われその燃料となる雑木材を切った後に根株を山焼にし、
蕎麦を栽培。いわゆる焼畑農法による蕎麦栽培をしていました。
製鉄、炭焼の職工が手軽に安価で、栄養価の高い、食べる蕎麦、腹持ちの良い全層挽きそば粉を使用した
出雲地方独特の黒い蕎麦が生まれたと考えられます。
昔の美味しい蕎麦を実現するために3つのテーマ「本物の蕎麦」「美味しい蕎麦」「食べる蕎麦」で試行を重ねています。
「本物の蕎麦」
素材を吟味、国産原料を厳選して出雲地方の昔ながらの製粉方法を実践しています。
蕎麦の実を丸ごと挽く「挽きぐるみ製法」で、挽きたてのそば粉を製粉後3日以内に使用しています。
挽き立てが一番甘く香り高い蕎麦になるからです。
「美味しい蕎麦」
素材の美味しさを引き出し、作り手の愛情、熱い思いを表現していくことが大切です。
食卓を囲んで会話のはずむ食品作りこそが、本田商店の美味しい蕎麦づくりと考えています。
「食べる蕎麦」
自然の素材をいじる事なく、また、食品添加物などを使用せず、健康・安心・安全な蕎麦をつくることが重要です。
蕎麦粉の粒子は荒く、つなぎの役割をする小麦粉はグルテン含有量が少ないために、
蕎麦粉と小麦粉がつながりにくいのですが、
本田商店では商品歩留まり、賞味期限の問題など試行錯誤しながら
原料保管庫の温度、湿度調整、蕎麦粉の粒子を複数にブレンドし、菌数の削除、などを配慮して、
蕎麦をつくりあげています。
蕎麦の栄養価を丸ごとに含み、コシがあり、また、のどごしなめらかな食感に仕上げることができました。
蕎麦が出来るまで
原料保管:10℃ 以下
まざらないように有機原料とそれ以外の原料を分けて保管。原料を入荷する際には目視検査を行っています。
計量:電子秤
そば粉・小麦粉・食塩を電子秤を使用し、計量。そばも鮮度が命!挽きたてそば粉を使用。
製粉:そばの実
そばの実の製粉を行います。産地によってもそばの風味や色合いが様々。熟練の技で製粉。
ミキシング:
ここで本田商店のそばの味が決まると言っても過言ではありません!
季節や、天候、湿度によって様々!職人の技がキラリと光る工程です。
製造:なま麺
厚さ調整。美味しい食感の厚さに!ベストな厚さは企業秘密になります。
切り出し、熟成、計量、金属探知機、めんを袋へ。
蒸気殺菌、冷却:
水蒸気で菌数を減らす重要な工程です。その後冷却をします。
検査、包装:
麺の仕上がりの状態を確認後、商品包装で完成します。
「食べて美味しい、身体に美味しい」
五代目である本田繁さんは「そばというのは本来体にいいものです。」といいます。
「しかしながら、最近の食品は保存料、添加物が入れられています。これにより便利さは増したかもしれませんが、
身体には?」と疑問を感じています。
「食べて美味しい、身体に美味しい」を目指して何も入れない、加えないおそばを作っています。