【専門性】GMO FREE
2026/02/01遺伝子組み換えとはなにか
「遺伝子組み換え」とは従来の品種改良と何が違うのでしょうか。 遺伝子組み換えとは、作物などに対し、他の生物の細胞から抽出した遺伝子を組み換え、新たな性質を持たせる手法を言う。抽出した遺伝子が持つ、害虫に強い性質や栄養素を上げる効果、除草剤に強い性質などを作物の新たな特性として加えるのです。 一方、作物の性質を変えるための取り組みとして昔から進められてきた「品種改良」の場合、人が遺伝子に直接手を加えることはありません。 ジャガイモの例で言えば、さまざまな種類のジャガイモの種を交配させて、害虫に強いジャガイモが誕生するまで続ける。その過程で害虫に強いジャガイモができたら、その種イモを作り、栽培できるようにするのだ。実際、日本を代表する農産物であるコメなどもこのようにして、気候や冷害への耐性といった性質を変えながら、我々の生活に欠かせない食材の一つとなりました。
遺伝子組み換えがもたらすメリット
最大のメリットは、求める特性を持たせるためにかかる時間が大幅に短縮できることがあげられます。 従来の品種改良では、新たな性質を持つ作物を作るために、何世代もの交配を行い、求める性質が現れるのを待つ必要がありました。そのため、時間を要してしまい市場への投入が遅れてしまいます。しかし、遺伝子組み換えであれば、遺伝子を組み換えるだけで作物に新しい特性をもたせることができるため、何世代にも渡る交配は不要で、より早く新たな特性を持つ作物を作ることができるのです。 また、害虫に強い作物が生産可能となれば、農薬の散布など害虫除去に関する工数を減らすことが可能となります。除草剤に強い作物を作り、除草剤とセットで栽培することで、収量を増やすといった組み合わせも考えられますし、作物の生産量が増加することで、食糧問題の改善にも寄与することが期待されるのです。
遺伝子組み換えのデメリット
遺伝子組み換え作物に対する懸念の声の一つが、人体への影響です。遺伝子組み換えを行った作物が体内に入ると、アレルギーの原因になるのではないかという指摘は根強く、厚生労働省は厳しい審査を行っていると発表をしているが、実際のところ安全性についてはグレーという見方も存在しているのが現状です。 また、環境に与える影響も懸念されています。たとえば、自分の農場では遺伝子組み換えの品種を育てていなくても、近隣で育てられた遺伝子組み換え作物の花粉が飛散し受粉することで、意図せず遺伝子組み換え作物となってしまうケースも起こり得ます。 人と環境への影響については、遺伝子組み換え作物の普及とともに世界中で反対運動が行われています。「安全とは言えない」わずかでも不安を感じる農産物を口にすることができない、というのも当然のことと言えます。
食への主権、食料への権利の喪失
表示の厳格化により、「遺伝子組み換えでない」という表示をすることが困難になりました。その結果、表示できないのであれば混入があっても問題がないという風潮が高まり、実質的に遺伝子組み換えされていない作物生産を行う側の権利が守られない、ということにつながります。
消費者は十分な情報にもとづいた選択をすることができるように、情報を手に入れる必要がある
引用:グリースマン著(2023)「アグロエコロジー」日本語版(農村漁村文化協会)