ナチュラルハウス

京都府 片山商店

京都府 片山商店

片山宏司さん

生産者のこだわり、強味を教えてください

日本の醗酵食品に欠かせないものそれが糀(こうじ)です。
日本酒造りの世界では「一糀・二酛・三造り」と言われ、酒の良し悪しを左右する一番重要なものとして糀はあげられています。
味噌や醤油・味醂など糀(こうじ)を利用した醸造の世界では、全てにあてはまる言葉です。
いかに「力強く」「きれいな」糀(こうじ)を造るか、この事が一番大切なのです。
片山商店ではこの糀造りに全力を尽くします。

— 其の一  原料米へのこだわり

片山商店の糀には契約農家さんから丹精籠めて育てて頂いたおいしい「新潟県産こしひかり」を100%使用しています。
実は新潟県産こしひかりは糀の原料米としては大変使いづらいお米なのです。その訳は…
粘りが強い
”故郷の味” 新潟県産こしひかりで糀(糀・こうじ)を造りたい。
糀造りでは蒸米を一粒一粒パラパラにすることが重要ですが、こしひかりの粘りがそれを難しくします。
片山商店では何度も何度も手入れを行い、一粒一粒に糀菌をまわします。
また、精米仕立てのフレッシュなお米を原料に糀(糀・こうじ)を作りたいので、五ツ星お米マイスターの店主が毎週毎週その週に使う分だけ自家精米し糀(糀・こうじ)を造っております。

— 其の二 杉板造りの糀室と、稲わらの"こも"

糀室(こうじむろ)


糀造りは温度30℃以上湿度90%以上という大変高温多湿の環境で行います。
ですから糀室の素材としては湿度調節や結露防止に優れた呼吸作用のある杉板が最適です。
片山商店では杉板造り糀室専門メーカー㈱日東工業所様に施工していただきました。
(全国500ヶ所以上の施工実績がありますが、その殆どは酒蔵での施工で杉板の本格的な糀室を造る味噌蔵は珍しいそうです。)

しかし、杉板にも欠点があります。
それは少しでも手入れをサボると、すぐ黒かびに汚染され杉板が黒ずんでくることです。
キレイな糀はキレイな環境からしか造ることは出来ません。
そこで片山商店では毎週末糀室の中を床から天井まで全てキレイに拭きあげます。
そのおかげで1986年施工後、長い年月が経過していますが、今でも美しい杉板の状態を保っています。
毎週毎週すみずみまで磨き上げてくれるスタッフに感謝です。

こも


糀造りには温度と湿度の調節がとても重要です。
特に後半は糀(糀・こうじ)が40℃を超えより一層デリケートな調節が必要となってきます。

そのとき湿度の調節をうまくとってくれるのが稲わらで作った「こも」です。
片山商店ではその「こも」をスタッフが手づくりしています。
稲わらを一本一本「馬の背」で編み上げる様はまさに昭和初期にタイムスリップしたようです。
この「こも」の掛け布団がないとキレイな糀に仕上がりません。
片山商店はいつまでも「こも」にこだわります。

— 其の三  五感を研ぎ澄ます。


いよいよ糀造りです。
新潟こしひかり白米を超音波を使って洗米します。
(超音波で洗うとお米に余計なストレスがかからず割れたりもせずに完璧に洗米できます。)
一晩水に浸け米の芯までしっかりと吸水させます。
翌朝しっかりと水きりをし、1時間ほど蒸かします。
冷却機で一粒一粒パラパラにしながら手のひらから伝わる感覚で31℃に冷まします。
(温度計で測らなくとも31℃を感じられる事も職人の業です)
ふるいをつかって糀菌を種付け、糀室に引き込みます。
元気な糀は自らの呼吸熱でどんどん温度を上げます。
温度が上がったら手入れをし、また上がったら手入れをしを繰り返します。その間糀の色やにおい・手触り等五感を研ぎ澄まし作業を行います。
種付けから約45時間後に出糀を迎えます。口に含むとほんのりと甘みを感じる良い糀の出来上がりです。
糀は毎回毎回違った育ち方をします。人間は五感で感じる感覚を頼りに糀に合わせて手入れを行います。
糀造りは何年経っても奥深く難しい作業です。

ナチュラルハウス国産味噌シリーズ

【協働生産者】京都府亀岡市 片山秋雄さん『醸造は人格なり』 京都府優秀技能者(現代の名工)を、平成25年に受賞。 独自の工夫で大豆をふっくらと蒸煮し、伝統技法からうまれた米麹をたっぷり加え、 木樽仕込、天然醸造で熟成させた美味しい味噌作りをしています。
ナチュラルハウス国産味噌シリーズ
企業名
京都府 片山商店
住所
京都府亀岡市
主な商品
片山味噌

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