【専門性】マタニティ
2025/08/01マタニティ
妊娠期は、お母さん自身のからだだけでなく、おなかの赤ちゃんの成長を支える大切な期間です。妊娠したからといって特別な食品ばかりを食べる必要はありませんが、これまで以上に「何を食べるか」「何を選ぶか」に目を向ける機会でもあります。基本となるのは、主食・主菜・副菜を組み合わせ、さまざまな食品から必要な栄養を摂ることです。妊娠期には葉酸や鉄、カルシウムなど、特に意識したい栄養素もあります。一方で、特定の食品やサプリメントだけに頼るのではなく、日々の食事を基本に、不足するものを必要に応じて補うという考え方が大切です。 また、妊娠中には摂取量に注意したい食品や成分があります。アルコールは避け、カフェインは摂り過ぎに注意する必要があります。また、生ものや加熱が不十分な食品、一部の魚介類などについても、食中毒や水銀などの観点から、妊娠前とは違った注意が必要になります。
原材料や加工方法にも目を向ける
妊娠をきっかけに、食品の原材料表示を見るようになったという人も少なくありません。加工食品や調味料、お菓子、飲料などは、商品によって原材料や製造方法が大きく異なります。「無添加」「ナチュラル」といったイメージだけで判断するのではなく、何からつくられているのか、どのような原材料が使われているのかを確認することが、商品選びのひとつの基準になります。 また、妊娠期は食品だけでなく、スキンケアやボディケア、洗剤など、毎日使っているものを見直すタイミングにもなります。香りや使用感だけではなく、配合成分や用途を確認し、自分に合ったものを選ぶことが大切です。
妊娠期に意識したい栄養素と補い方
妊娠期の栄養は、毎日の食事から摂ることが基本です。しかし、妊娠中は必要量が増える栄養素もあり、つわりや食欲の変化などによって、食事だけでは十分に摂りにくいこともあります。食生活を整えたうえで、不足しやすい栄養素を必要に応じてサプリメントで補うという方法もあります。 ビタミンC 野菜や果物などに多く含まれ、鉄の吸収を助ける働きもあります。妊娠期は鉄も意識したい時期なので、食事の中で組み合わせて摂るのがおすすめです。加熱や保存によって失われやすい栄養素でもあるため、食生活によって不足が気になる場合は補助的にサプリメントを活用する方法もあります。 ビタミンD 魚類やきのこ類などから摂ることができ、カルシウムの吸収を助け、骨の形成に関わる栄養素です。また、日光を浴びることで体内でもつくられます。魚を食べる機会が少ない、屋内で過ごす時間が長いなど、食事や生活習慣によって摂取状況に差が出やすいため、不足している場合には適切に補うことが大切です。 カルシウム・マグネシウム カルシウムは乳製品や小魚、大豆製品、青菜など、マグネシウムは大豆製品、海藻、種実類などに含まれています。どちらも骨や歯をはじめ、からだのさまざまな働きに関わるミネラルです。特定の食品に偏らず、日々の食事から組み合わせて摂り、不足する分を補助食品などで補うことを考えましょう。 鉄 妊娠期には特に不足に注意したい栄養素のひとつです。肉や魚、大豆製品、青菜などを日々の食事に取り入れ、植物性食品に含まれる鉄はビタミンCを含む食品と組み合わせることもポイントです。妊娠中は鉄の必要量が増えるため、食事だけで十分に摂ることが難しい場合には、サプリメントなどを上手に利用する選択肢もあります。
サプリメントは「何を足すか」と同時に「何からできているか」
妊娠をきっかけにサプリメントを選ぶなら、含まれる栄養素の量だけでなく、原材料や添加物にも目を向けてみましょう。毎日継続して摂るものだからこそ、必要な栄養素を必要な分だけ補える、原材料がシンプルなものを選ぶという考え方もあります。
妊娠期は、毎日肌に触れるものも見直してみる
妊娠中はホルモンバランスなどの変化によって、それまで使っていた化粧品が合わなくなったり、乾燥や肌のゆらぎ、香りへの敏感さを感じたりすることがあります。食べるものと同じように、毎日肌や髪に使うものについても「何からつくられているのか」に目を向けてみましょう。化粧品やシャンプーについて、「経皮毒」という言葉を目にすることがあります。皮膚には外部から異物が入り込むのを防ぐバリア機能があるといわれておりますが、必要以上に怖がりすべての化学成分を避ける必要はないかもしれません。。一方で、化粧品の成分によって刺激やアレルギーなどが起こることはあり、妊娠中は肌の状態や香りの感じ方が変化することもあります。だからこそ「危険なものを排除する」のではなく、毎日継続して使うものとして、成分や使用感を確認し、自分に合ったものを選ぶという視点が大切です。
スキンケア 妊娠期は、たくさんの美容成分を重ねるよりも、洗う・うるおす・守るという基本のケアを大切に。肌の状態に合わせて、成分構成がシンプルなものや、香料・着色料など気になる成分を抑えたものも選択肢になります。「オーガニック」「自然派」という表示だけで判断せず、全成分表示を確認してみましょう。
シャンプー・ヘアケア シャンプーは毎日のように頭皮や髪に触れるものです。「頭皮から成分が吸収されるから危険」と過度に心配する必要はありません。それよりも、洗浄成分や香料などを確認し、自分の頭皮や髪の状態に合っているかという視点で選びましょう。洗浄力が強すぎるものを避け、必要以上に洗いすぎないことも、頭皮を健やかに保つポイントです。 「経皮毒が怖いから使わない」のではなく、「毎日使うものだから、自分で成分を見て選ぶ」。妊娠を、食べるものだけでなく肌や髪に触れるものまで、自分に合った選択を考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
日焼け止め 妊娠中も紫外線対策は大切です。SPF・PAの数値が高いものを常に選ぶのではなく、日常生活、屋外での活動など、過ごし方に合ったものを選びましょう。紫外線吸収剤を使用しない「ノンケミカル」タイプなども選択肢のひとつです。顔だけでなくからだにも毎日使うものだからこそ、紫外線防御力とともに、成分や落としやすさ、肌への使用感も確認して選びます。
「食べるもの」から「毎日使うもの」まで
食品、サプリメント、化粧品、シャンプーなどは、一つひとつは異なる商品でも、選び方の基本は共通しています。イメージや広告だけで決めるのではなく、原材料や成分を確認し、自分に必要なものを選ぶこと。食事を基本に、不足しやすい栄養を補う。食品と同じようにサプリメントも原材料から選ぶことで、妊娠期からその先の家族の食生活までへつながっていきます。
出産後まで続く「選ぶ習慣」
妊娠中に始めた食事や暮らしの見直しは、出産したら終わりではありません。産後の食生活、そして赤ちゃんの離乳食や家族の食卓へとつながっていきます。だからこそ、妊娠期間だけ完璧を目指すのではなく、無理なく続けられるものを見つけることも大切です。 これまで何気なく選んでいた食品や日用品の原材料を一度見てみる。調味料をひとつ変えてみる。毎日使うものを素材から選んでみる。妊娠を、これから始まる家族の暮らしを整えるきっかけとして、自分に合った選択を少しずつ増やしてみてはいかがでしょうか。