ナチュラルハウス

To BUY or Not to BUY ORGANIC(魚介・ナッツ・穀物・油・加工食品)

2026/06/06

毎日選ぶ食品だからこそ、背景を知ろう 【魚介類】 魚やシーフードは、野菜や畜産物と異なり、海という自然環境から得られる食品です。 そのため著者は、「オーガニック認証」という考え方そのものが魚介類には当てはまりにくいと指摘しています。 本来、海は誰か一人が管理できるものではありません。 魚が育つ環境、水質、生態系、資源量など、多くの要素が複雑に関係しています。 重視しているのは、オーガニック認証の有無ではなく、 ・乱獲されていないこと ・海洋環境が守られていること ・持続可能な漁業であること です。 また、養殖魚についても、抗生物質や飼料、水質管理などの課題があると指摘しています。 魚を選ぶ際には、「天然か養殖か」だけではなく、その魚がどのような環境で育ったのかを知ることが重要だと述べています。 【ナッツ・種・スパイス】 ナッツや種子類は健康食品として人気がありますが、作物によって農薬使用状況は大きく異なります。 特に注意を促しているのはアーモンドとピーナッツです。 アーモンドは病害虫対策のために農薬が使用されることがあり、ピーナッツは土の中で育つため、土壌中の残留物質を吸収しやすい特徴があります。 そのため、 ・ピーナッツ ・ピーナッツバター ・アーモンド ・アーモンドバター などを日常的に食べる場合は、オーガニックを選ぶ価値があるとしています。 一方で、ごまや香辛料などは使用量そのものが少ないため、神経質になり過ぎる必要はないとも述べています。 【食用油】 著者は、油については「オーガニックかどうか」よりも、「どの油を選ぶか」のほうが重要だと考えています。 精製工程を経た油では、原料由来の残留農薬は比較的少なくなります。 しかし、 ・遺伝子組換え原料の使用 ・過度な精製 ・硬化処理 などの問題は残ります。 特に、 ・マーガリン ・ショートニング などの硬化油については避けるべきだと述べています。 一方で、 ・オリーブオイル ・未精製油 などは比較的シンプルな選択肢として紹介されています。 【穀物】 穀物は精製工程を経ることで、残留農薬の多くが除去されるとされています。 しかし著者は、毎日食べる主食だからこそ、生産背景にも目を向けるべきだと語ります。 特に米については、栽培履歴や土壌環境によって差が生まれる可能性があるため、 ・オーガニック米 ・信頼できる生産者の米 を選ぶ価値があるとしています。 また、小麦やオートミールなどについても、頻繁に食べる家庭や子どもの食事ではオーガニックを選択肢のひとつとして挙げています。 【加工食品・スナック】 著者は、オーガニックのクッキーやシリアル、スナック菓子であっても、「健康食品になるわけではない」と率直に述べています。 加工食品は、 ・砂糖 ・小麦粉 ・油脂 ・香料 ・保存料 など多くの工程を経て作られています。 そのため、「オーガニック」という表示だけで判断するのではなく、原材料表示を見る習慣が重要だとしています。 一方で、子どもが日常的に食べる食品については、 ・シリアル ・クッキー ・スナック類 ・朝食用食品 などをオーガニックに置き換えることには一定の意味があるとも述べています。 すべてをオーガニックにする必要はないと考えます。 大切なのは、 「何を食べるか」だけでなく、 「どのように作られたか」を知ること。 魚なら漁業の持続可能性を、 ナッツなら栽培方法を、 穀物なら生産者を、 加工食品なら原材料を。 食べものの背景を知ろうとする姿勢こそが、健康と環境の両方につながる第一歩なのではないかと問いかけています。

オーガニックは、本当に「持続可能」なのか

本章では、急成長するオーガニック市場の裏側で、「認証オーガニック」と「本当に持続可能な農業」が必ずしも一致していない現実が描かれています。 かつてオーガニックは、小規模農家や地域コミュニティを中心に、“土・環境・人”を守る思想として広がりました。 しかし現在では、大企業の参入によって、大量生産・大量流通を前提とした「オーガニックビジネス」が急速に拡大しています。 著者は、巨大酪農施設で育てられた牛であっても、一定の条件を満たせば「認証オーガニック」として販売できる現状を紹介し、“認証基準を満たすこと”と、“本来の持続可能な農業”との間に、大きな隔たりがあると問題提起します。 また、「認証ラベル」は最低基準を示すものであり、本当の安心や信頼は、生産者との関係性や、実際の農場の姿を知ることから生まれるのではないか、と著者は語ります。 本章では、ニューヨークの食品共同組合「Park Slope Food Co-op」の取り組みも紹介されています。 彼らは、生産地や農家情報を積極的に開示し、可能な限り地域の生産者から仕入れることで、“顔の見える食”を大切にしています。 一方で、大量消費社会の中では、オーガニックであっても世界中から食料を輸送する構造が生まれています。 中国産ニンニクの事例を通じて著者は、「安価な大量供給」と、「地域性・鮮度・信頼」のどちらを選ぶのかを問いかけています。 さらに著者は、食べものを選ぶことは単なる買い物ではなく、「どんな農業を支持するのか」という意思表示でもあると述べています。 本章を通じて語られているのは、“安さ”や“認証マーク”だけでは測れない価値についてです。 誰が、どこで、どのように育てたのか。 地域や環境、未来につながる食の選択こそが、本当の意味での「持続可能性」なのではないかと、著者は静かに問いかけています。