ナチュラルハウス

オーガニックの歴史

2026/06/06

オーガニックは、どのように「基準」になっていったのか

1970年代、環境問題への関心が高まる中で、「自然に近い暮らし」や「土地へ戻る生活」を求める人々が増えていきました。 その流れの中で、“農薬や化学肥料を使わずに育てた食べもの”を「オーガニック」と呼ぶ文化が広がり始めます。 しかし当時は、まだ「オーガニック」の明確な定義が存在しておらず、生産者や消費者の間でも考え方は統一されていませんでした。 その中で、オーガニック農業の先駆者ロデイルらは、 「農薬・化学肥料に依存せず、土壌の力を活かし、防腐剤・ホルモン・抗生物質などに頼らない農業」こそが、本来のオーガニックであると提唱しました。 やがて1970〜1980年代にかけて、アメリカ各州でオーガニック認証制度が始まり、1990年には国家基準として「Organic Foods Production Act」が制定されます。 これにより、「オーガニック」は単なる思想ではなく、国が定める認証制度へと変化していきました。 現在の認証制度では、一定期間化学農薬を使用していない土壌での栽培や、遺伝子組み換え・抗生物質・成長ホルモンの禁止など、細かな基準が設けられています。 一方で著者は、「認証マークがあること」と、「本当に持続可能で、人や環境にやさしい農業であること」は、必ずしも同じではないとも指摘します。 巨大市場となったオーガニック業界では、大規模化・工業化も進み始めており、“本来の理念”が失われつつあるのではないか、という問題提起も本章の重要なテーマです。 著者が問いかけているのは、「認証を見るだけで、本当に安心できるのか」ということです。 そして、“誰が、どんな想いで、どのように育てているのか”まで知ろうとすることが、本当の意味でのオーガニックにつながると語っています。